※この記事はネタバレを含みます。
どうも、重平です。
あやかしトライアングル第77話「豆と乙女」の感想です。
あやかしトライアングル第77話「豆と乙女」
恋緒(ヘンタイ)の敗北
タヌマロの「操心蒸気」という術により、全てを忘れて自分が普通の女の子だと思い込んでいる祭里。校内を散策中に偶然出会った宗牙パイセンに一目惚れし、恋する乙女となってしまいました。
完全にメスの顔になっている祭里に危機感を感じたすずは恋緒に助けを求めることにしました。
術を解けるかというすずの問いに「大丈夫ですよ」と即答する恋緒。何という自信。頼もしい。確かに恋緒を作るお香や発明品は優秀なものが多いですから効果は期待できるかもしれません。
ただ、問題は恋緒がお香を作る過程。あやトラを読んでいる読者はご存じの通り、恋緒は重度の匂いフェチ。相手の身体状態の診断も妖術の解析も、匂いを嗅ぐことで情報を得るのです。
そんなわけですから、恋緒は祭里を見つけると当然のように祭里の匂いを嗅ぎ始めました。
しかし、今の祭里は”全てを忘れた普通の女の子”。自分の名前すら忘れているわけですから、恋緒がどんな人物でどういったことをする人なのかも今の祭里は知りません。
そんな祭里からすれば、廊下を歩いていたら知らない人にいきなり声を掛けられ全身の匂いを嗅がれるという恐怖体験をしたことになるわけですから、恋緒に匂いを嗅がれた祭里はすぐさま逃げ出してしまいました(当然ですね)。
いつものノリであれば恋緒は逃げる祭里を追いかけていたでしょう。しかし、普通の女の子になった祭里に本気で怯えられたのは流石にきつかったのか、恋緒はその場で戦意を喪失。リタイアしてしまいました。
やはり恋緒も年頃の女の子ということでしょうか。自他ともにヘンタイと認識していましたが、女の子らしいところが残っていて少し安心しました。
すずの敗北
恋緒がリタイアしてしまったため、自分がなんとかするしかないと奮起するすず。
すずは祭里に声を掛け、誰もいない保健室へと連れ込み足のマッサージをお願いしました。
すずの作戦には、かつてのあの時と同じように自分が身体をはることで祭里の中の男を呼び覚まそうという狙いがありました。
さあかかってこい!と凛々しい表情をするすず。しかし、マッサージ開始から5分後には凛々しい表情は見る影もなく、ただ快楽に溺れるだけの蕩けた表情のすずがそこに居たのでした。
実は、祭里はマッサージの腕は最上級。長年おじいちゃんの肩もみで練り上げられた指技は凄まじいものだったのです。前回のように本来の人格が宿っている時ならば手加減することができましたが、今の祭里は100%善意で全力のマッサージをすずに施してしまいました。
祭里のマッサージを受け行動不能に陥ったすず。無意識にすずの策を打ち破ってしまうだなんて、祭里、恐ろしい子…!
魔滅(まめ)
恋緒とすずを無意識のうちに撃退した祭里。祭里はその足で愛しの宗牙パイセンに想いを伝えるべくパイセンのもとへと向かいました。
その様子をカゲメイは”黒折神”を使って見ていました。思惑通りに事が進んでいる様子を見て何だか楽しそうなカゲメイ。カゲメイの言動や反応がもはや我々読者みたいでなんだか面白いです。
そしてついに祭里が宗牙パイセンに告白したところで大盛り上がりのカゲメイ。パイセンのような童貞に祭里のような可愛い女の子からの告白を断れるはずがない。カゲメイはそう信じていました。
しかし、祭里からの告白を受けた宗牙パイセンは怒っているような表情をしていました。本来の姿を知っているとはいえ、状況的には初めての女子からの告白。しかしパイセンの心は全く動かず、むしろ怒りさえ覚えていました。そして次の瞬間、パイセンは「こんな乙女が風巻であるものか」とキレてしまいました。
この反応には筆者も少し驚きました。いつもあれだけ祭里にドギマギさせられているパイセンですから、付き合うことはないにしても照れるくらいはするものだと思っていましたが、想像以上に”普段の”祭里が好きだったようです。
キレたパイセンはポ之助を呼び出し、祭里の口に一粒の”豆”を投げ入れさせました。
“豆”といえば節分になると”豆まき”をしますよね。豆まきはかつて「鬼の目(魔の目)」に大豆を投げつけて鬼を撃退したとのエピソードから、「魔を滅する(魔滅)」に通じるとされたことが行事の由来だそうです。
つまり、”豆”とは”魔滅(まめ)”とかけられ、古来より魔を祓うとされる神聖な食物なのです!(ポ之助迫真の表情)
とはいえ、さすがに豆一粒でタヌマロのかけた術を完全に解くことはできません。しかし祭里であれば、一瞬でも自我を取り戻せばそこから自力で術を解除できるはず。
パイセンの考えは見事に的中し、豆で一瞬自我を取り戻した祭里は即座に”嵐身の術”を発動。自力でタヌマロの術から抜け出しました。
自我を取り戻した後、宗牙パイセンにお礼を言う祭里。いつもの口調で祭里にお礼を言われた宗牙パイセンは、顔を赤くして照れているようでした。
これにて祭里の騒動は一件落着。最後は宗牙パイセンが持っていきました。カゲメイに便乗するようですが、宗牙パイセンと祭里は結構お似合いなのかもしれませんね。
感想/まとめ
???「ほー、いいじゃあないか。こういうのでいいんだよこういうので。」
タヌマロの「操心蒸気」による祭里の変貌、見ていて面白かったですね。
すずと恋緒という常人には手に負えないハレンチ娘たちを無意識のうちに撃破していくピュア祭里はなかなかに恐ろしい存在でした。
しかしなんといっても、今回のMVPは宗牙パイセンですね。いつも祭里を前にすると赤くなるパイセンですから、乙女祭里からの告白にどう対処するのかと思っていましたが、「こんなの祭里じゃない」とか言い出すとは思ってもみませんでした(笑)。
まあでも、ある人の意外な一面などがピックアップされるとそれを受け入れる人と反発する人が出てくるのは当然のことですよね。特に、オタクたちの間ではよくあることです。
某ボーイッシュなVtuberさんがメスを出し過ぎた際、ファンの間で「○○ちゃん可愛い!」と言う人と「こんなの○○ちゃんじゃない!」と言う人とで分断が起きかけたらしいですが、宗牙パイセンは後者の人ような、いつもの雰囲気の方が好きなタイプだったのでしょう。
あのまま告白を承諾していれば祭里はパイセンのものだったはずですが、それはパイセンの気持ちが許さなかったんですね。そんな”いつもの”祭里が大好きなパイセンの英断のおかげで祭里は自我を取り戻すことができました。
それにしても、一瞬でも隙があれば祭里なら自我を取り戻せると信じて疑わなかった宗牙パイセンとの信頼関係。なかなかこの二人はお似合いなのではないでしょうか?(眼鏡クイ)
最後の宗牙パイセンのイケメンな照れ顔もありますし、宗牙パイセンと祭里でゴールインするルートがあってもええんやで?とか考えるほどに祭里と宗牙パイセンの信頼関係がすごいなぁと感じたお話でした。
P.S.
“豆”と”魔滅”とか、豆まきの由来について初めて知りました。また一つ賢くなってしまったな!
それではまた次回!
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